一般質問  
 
 
地域主権に対する知事の考え方について
障がい者施策の推進について
  (1) 障がい者の就労支援について
  (2) 「障害」という表記について
少子対策の推進について
  (1) 特定不妊治療費助成事業について
  (2) 待機児童対策の推進について
国道176号名塩道路の現状と今後の対応について
関西3空港のあり方について
 

Q

1 地域主権に対する知事の考え方について

 政府の地方分権改革推進委員会は、11月9日、地方分権の諸課題の基本方針を示した第4次勧告を提出しましたが、地域主権を前面に掲げる鳩山政権では、この勧告を踏まえた施策の実施とともに、地域のことは地域に住む住民が決める、活気に満ちた地域社会をつくるための「地域主権」改革を断行するため、17日には、地域主権戦略会議を設置したところです。

  この件に関し、先の代表質問で地域主権という言葉に疑問を呈する発言がありましたが、民主党がマニフェストに掲げた地域主権とは、「住民に一番身近な基礎的自治体を重視した分権改革を推進し、中央集権制度を抜本的に改め、地域主権国家を樹立する。」と明記しており、憲法に定める主権在民は当然の前提として、地域のことは地域で決めるという地域主権の確立を目指したものであります。

  現に、先月25日には、政権交代後、初めて開催された政府主催の全国知事会議の場で、麻生全国知事会会長から、政府と自治体の役割分担などを定める「地域主権基本法」の制定を鳩山首相に求めた事実があり、知事会自らも「地域主権」という表現を使用しています。これに対して、首相は「真剣に考えたい」と述べ、法制化を目指す考えを表明されたと伺っています。

  次期国会では、政府と地方自治体の協議の法的位置づけを明確にする「国と地方の協議の法制化」のための法案が提出される見込みであるなど、地域主権改革の実現に向けた新たな取り組みが今後、本格的に動き出すものと思われます。

  これまでの地方分権改革は、平成7年の地方分権推進法の成立で始まり、機関委任事務の廃止等が行われたものの、国と地方の権限争いの色合いが強く、多くの課題が積み残され、その後、「三位一体改革」や、市町合併、地方財政健全化法の制定、昨年以降の急速な景気後退などの影響によって、地方を取り巻く環境は大きく変化しています。

  知事におかれては、新政権発足に当たり、地方財源の確保、地方交付税の復元・増額、地方行政体制の改革など、「地方行財政の諸課題に関する提案」を行い、また、地方分権改革推進委員会の勧告に対しては、第4次勧告を基本に据えながら政府において地方分権への実をあげてほしいとの期待を表明する一方で、国の出先機関改革や義務付け・枠付けに係る勧告への対応に見られたように中央省庁への強い抵抗に懸念を表明されるなど、これまでの国の動きに対して迅速な対応に努めてこられました。

  一方、先月には、本県の地方六団体による「兵庫県地方分権推進自治体代表者会議」が開催され、「地方分権推進全国会議」に向けた統一見解を得るため、「地方分権の推進と地方税財政の充実強化に関する提言」を取りまとめるなど、知事のみならず我々県議会や県下各市町・市町議会においても、今こそ、国と地方が協調して地方分権改革を加速し、地域主権の確立を目指すときである、という強い思いを抱いています。

  このように、井戸知事があらゆる機会を捉えて、地方分権改革の推進と地域主権の確立をアピールしておられることは理解いたしますが、今後、国において本格化する地域主権改革への取り組みに当たり、法令による義務付け・枠付けや、補助金等による国の財政的関与の見直しをはじめ、分権改革の残された課題への県の取り組みとともに、知事の考える地域主権とはどのようなものなのか考えをお伺いします。

A

(答弁:井戸知事)

 住民本位、地域主体の分権型社会を構築するには、地方自治の基本原則である「住民自治」と、これを制度的に保障する「団体自治」の充実を図らなければならないということが基本です。

 また、このためには、国は、外交、防衛、通貨など国の存立に関わる事務に限定し、福祉や教育などを含めた内政全般を地方が担うこととする、そして、そのための事務配分としては、今のような国と地方が担うこととする、そして、そのための事務配分をしては、今のような国と地方とが事務を持ち合う形態ではなく、一つの事務は一つの主体が権限、責任、財源を持って担う独立・自立型の行政システムへ転換していく必要があると考えています。

  政府が「地域主権」を標榜され、今後これを目指した制度改革が検討されていくわけでありますが、地域の自主自立を目指した改革を強く政策課題とされたものと理解をしております。

  まずは、地方分権改革推進委員会の勧告が実現することが肝要であります。その際には、保育所設備・運営基準などの例が挙げられますような義務付け・枠付けの見直しが必要です。都道府県への権限と財源の一体的移譲を基本とした国の出先機関改革の推進も図らなければなりません。地方交付税の復元・増額や地方消費税の充実、地方共有説の具体化など地方税財源の充実強化も裏付けとして欠かせません。また、こうした改革が分権型社会の実現につながりますよう、「国と地方の協議の場」を早期に法制化することも肝要です。

  既に地域主権戦略会議が発足しましたが、年末までには地方分権改革推進計画の策定と、この工程表を作成することとされていますので、この推進を期待しております。

 また、地方税財源の確保のためには、私自身、委員長を務めます地方交付税問題小委員会において、地方交付税の復元・増額とその地域間格差是正の機能の復元を強く求めてまいります。このためにも、全国知事会はもとより、県内の市長会、議長会等とも連携して地域の実情を踏まえた分権改革の推進を働きかけていきたいと考えています。

  併せて、県と市町との関係につきましても、市長合併の効果や課題も踏まえつつ、県と市町の連携強化や市町間の調整など県の役割を果たし、県と市町の新しい関係の構築に努めてまいります。
繰り返しますけれども、地域の自主自立を目指した改革を強く進めていくことが肝要と考えています。

TOPへ

Q

2 障がい者施策の推進について
(1) 障がい者の就労支援について

 障がい者の自立生活を支援するために、一般就労への移行を促進するとともに、障がい者施設等で働く方々の工賃向上に向けた取り組み等の福祉的就労対策を強化するなど、就労支援体制を強化し、障がい者が当たり前に地域で暮らし、地域の一員としてともに生活することができる社会を目指すことは非常に重要なテーマであると考えます。

  県では、「兵庫県障害福祉計画」を策定し、その基本目標に、平成19年度から23年度の5か年で、新たに1万人の障がい者の新規就労者数、福祉的就労における工賃の倍増などを目標に掲げ、働く意欲のある障がい者が適正に応じて能力を十分に発揮し、地域で自分らしく暮らすことができるよう各種の施策を展開しておられます。

  障害福祉計画に掲げた1万人の新規就労者数については、平成20年度までの実績が概ね計画どおり順調に推移しているようですが、そのうち、福祉施設から移行する人の割合は計画を下回っています。

  また、就労継続支援B型事業所や授産施設で働く障がい者の工賃を引き上げる「工賃倍増5か年計画」については、県や県下各市町が授産施設等に対する優先発注制度の実施するなど支援を行っていますが、平成18年度の月平均工賃10,190円に対し、20年度の平均工賃は10,974円と目標の21,000円とは大きな乖離があるばかりか、47都道府県中38位という結果になっています。

  また、障害者自立支援法制定当初から多くの課題を指摘されていた小規模作業所の新体系サービスへの移行については、今年4月1日現在で約58%に止まるなど、福祉的就労の底上げを目的とした各施策は非常に苦戦している現状が窺えます。

  そこで、このような本県における障がい者への就労支援に対する現状認識とともに、「障がいのある人の暮らしやすいひょうご」を目指し、今後の地域における福祉的就労の底上げと、福祉施設から一般就労への移行を推進するために県としてどのように取り組んでいくのか、当局の所見をお伺いします。

A

(答弁:井戸知事)

  兵庫県では、平成20年度に改定した障害福祉計画に基づきまして、福祉的就労の工賃水準の向上と、福祉施設利用者の一般就労への移行支援を目指して、取組んでいます。

  県内の状況は、全国的にみて授産施設が205か所、これは第5位であります。小規模作業所が182か所、これは第4位であります。などの福祉的就労の場は多いものの、工賃水準は11,000円ほどでありますし、小規模作業所の新体系サービスへの移行率も約6割と低位にあると認識しています。

  このため、福祉的就労の底上げに向けて、持株会社方式による小規模作業所の新体系への移行の促進を図ること、複数の小規模作業所等の製品を詰め合わせたギフト商品をつくり、消費者に理解を求めること、授産製品コンテスト、スイーツ甲子園などの品質向上を目指す事業を推進すること、大規模量販店での定例販売など、民間企業との連携による販路拡大を図ることなど、安定的な基盤整備と工賃水準の向上に努めてまいります。

  また、福祉施設から一般就労への移行については、現在、障害者施設などに併設されている6か所の障害者就業・生活支援センターを拡充していきます。そして、ビルクリーニング等の就業資格取得の支援による職場や職域の拡大を図ってまいります。第3に、障害者に配慮した社会貢献を評価する総合評価落札制度等の取組を強化してまいります。これらによりまして、安定した就労の確保に努めるなど、障害者の就労支援の充実も併せて図ってまいりますので、ご支援をお願いいたします。

TOPへ

Q

(2) 「障害」という表記について

 先月、健康福祉常任委員会の管外調査で大分県庁を訪問し、障がい者雇用の現状等について調査を行いましたが、その際、大分県の作成した資料に目を通すと、法律や特定の固有名詞を除き、全て「障害者」の「害」の字を平仮名で表記しておられました。
  この平仮名表記について、当局に質問したところ大分県では、4年前から全庁的に取り組んでいるとのことで、先程の質問で取り上げた県の「障害福祉計画」についても「害」の字は平仮名が使われています。

  一方、本県に目を向けますと、健康福祉部はもとより各部局において、「害」の字は漢字で表記しており、学校教育法の改正に伴い「特別支援教育」に制度改正がなされた教育の分野においても、「障害児」の表記には同様の漢字が使われている現状があります。

  一般的に「害」の字は、「災害、被害、損害」などマイナスイメージを有していることから、大分県のように平仮名で表記する自治体等がある一方、戦後の当用漢字策定以前には、「碍」(「碍子(がいし)」、「融通無碍(ゆうずうむげ)」などに使われている。)という字が使われていましたが、この字が当用漢字表、そして現在の常用漢字表にも掲載されなかったことで、法令等での使用が制限されてしまっているという経緯があり、中立的なイメージを有するこの「碍」の字を、現在改定作業中の常用漢字表に追加して書き換えるべきだという意見もあります。

  私は、西宮市議会議員をしていた時に、当時のある新聞記事を引用して、市議会でこの「障害」という漢字表記の考え方について質問をした経験がありますが、その社説は、「言葉を変えたところで、人々の意識や社会が変わらなければ実態は変わらないという考え方もある。その通りだと思うが、現実には言葉が変わることで人の意識が変わっていくこともあり得る。みんなでより適切で温かい言葉をつくり出したい。」と結んでいます。

  現在の表記を使い続けることが誤解や偏見を助長する要因にならないとも限りませんし、また、用語というのは社会の文化の反映である、社会の文化を変えることによってより用語も変わってくるとも言われています。

  「障害」の「害」の表記を変えることについては、さまざまな意見や難しい問題があると思われますし、私自身も言葉遊びをする気持ちは毛頭ありませんが、平仮名表記に改めている自治体の事例も踏まえ、兵庫県では、現在の漢字表記についてどのような認識を持っておられるのか、また、今後、何らかの見直しについて検討を行う考えはあるのか、当局の所見を伺います。

そこで質問ですが、後期高齢者医療制度が始まるにあたり、保健事業について、各市町や広域連合に対し、県はどのような形で支援や助言を行っていこうとしておられるのか、当局の所見をお伺いします。

A

(答弁:久保 健康福祉部長)

  障害のある人の生活のしづらさは、障害のある人への適切な支援だけでなく、その人を取り巻く周囲の環境や人々の対応を変えることにより大きく緩和されるものと考えています。

  障害のある人が自分らしく生き生きと生活していくためには、様々な障害が残されており、「障害」の「害」の字を平仮名表記にしても、障害者を取り巻く状況が変化するものとは考えられず、むしろ、障害者が取り巻く「社会的障害」を除去し、負担を軽減するための施策の展開が大切であるとの意見が当事者団体の中にもあります。

  また、現在、常用漢字にはない「碍子(がいし)」の「碍(がい)」の時には、「妨げ」という意味が含まれており、障害のある人が、社会で生きていく中で、様々な「妨げ」を受けているという意味を持たせる意義があることから、常用漢字に加えられた際には、選択肢の一つとなるものと考えています。

  いずれにいたしましても、誰もが生活しやすいユニバーサル社会の構築を目指し、障害のある人が自らの能力を最大限発揮し自己実現できるよう、保険・医療・福祉・住まい、就労、社会参加など、幅広い分野での積極的な取組が肝要であると考えております。こうした取組を進めるなかで、表記の見直しにつきましても、当事者団体も含めまして幅広く情報収集に努めてまいります。

TOPへ

Q

3 少子対策の推進について
(1) 特定不妊治療費助成事業について

 不妊に悩む夫婦への公的な助成制度として、医療保険が適用されない不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、平成16年度から、体外受精、顕微授精を受けた夫婦に対する特定不妊治療費助成事業が始まりました。

  制度開始以来、所得制限の緩和、助成期間の延長や、助成回数が1年度1回から2回への拡充が行われ、今年度の補正予算では1回当たりの助成額を10万円から15万円に増額するなど、順次、その充実が図られてきたところであり、県内の特定不妊治療助成事業の実績について、平成16年度と20年度を比較すると、助成件数で約3.3倍、実人員で約2.1倍と、順調な伸びを示していることが窺えます。

  しかし一方で、私自身、不妊治療に携わる医師から、「治療を終了した日から3か月以内」という申請の受付期間を知らなかったり忘れる人がいて、助成を受けられないケースがある。また、1回の治療費が40〜50万円という高額な治療を年3〜4回受診しているという実態からみて、依然として負担は大きい。夫婦合算で730万円未満という所得制限が壁となって制度を利用できない、といった県民の声が数多く寄せられていると聞いており、とりわけ昨今の景気後退の中では、不妊治療を諦める夫婦が増えるのではないかという懸念を抱いています。

  市町レベルでは、特定不妊治療費に独自の上乗せを行ったり、タイミング法などの一般不妊治療を助成対象としている自治体が一部に見られますが、都道府県レベルでも、鳥取県、高知県のように特定不妊治療費の1回当たりの助成額に独自の上乗せをしたり、1年度当たりの助成回数や通算5か年度という助成期間の制限を緩和するなど、県独自の取り組みを行っているケースも見られます。

  特定不妊治療費助成事業導入以降、県内の実績の伸びを見ても、この制度が県民の不妊治療に対するインセンティブになっていることは間違いないと思われますが、わが子をこの手で抱きしめたいと願う不妊に悩んでいる夫婦のために、そして夫婦が経済的負担のために子どもを諦めることのないように、厳しい財政状況ではありますが、県民や現場の医師の声に応えるためにも、この特定不妊治療費助成事業をさらに充実していくことが必要ではないかと考えますが、当局の所見を伺います。

A

(答弁:清原理事)

  特定不妊治療は、医療保険が適用されず、1回の治療費が高額でありますことから、県では、その費用の一部を助成し、経済的負担の軽減を図っております。

  助成回数及び期間につきましては、現在、1年度に2回まで、通算5か年度までとしておりますが、治療実績を見ますと1年度あたり平均1,5回であることや、妊娠を期待できる治療回数は累計4・5回と報告されていること、また所得制限については、不妊治療を必要とする夫婦の約9割が対象となっておりますことから、現行の助成制度は概ね妥当ではないかと考えております。

  助成額につきましては、県内の市町や他府県では、独自に上乗せしている例も見受けられますが、県といたしましては、むしろ保険適用が必要と考えており、これまでから、国に対し要望を重ねてきたところでございます。

  先般示された、民主党のマニフェスト政策集には、「不妊治療については、適応症と効果が明らかな治療には医療保険の適用を検討し、支援を拡充する。」旨、記載されておりますことから、引き続き保険適用について国に要望してまいりますとともに、その動向を注視していきたいと考えております。

TOPへ

Q

(2) 待機児童対策の推進について

 近年、女性の社会進出や核家族化の進展等によって子育てを取り巻く環境は大きく様変わりしており、また、昨今の厳しい経済状況を反映し、就学前の子どもを持ちながら仕事をせざるを得ない女性の増加も予想される中、「仕事と子育ての両立」を支援し、子どもを生み育てやすい社会を実現することは、非常に重要な課題であると考えます。

  入所を希望しても空きがないために認可保育所に入所できない待機児童は、全国で都市部を中心に約2万人という現状があり、国では、昨年2月に、希望するすべての人が安心して子どもを預けて働くことができる社会を目指し、質と量の両面から保育施策を充実するとともに、そのために必要な社会的基盤の構築に取り組むことを基本方針に、今年度から3年間を集中重点期間とする「新待機児童ゼロ作戦」を取りまとめています。

  一方、県下の待機児童数は、市町によってバラツキがあるものの、県全体では平成19年以降2年連続で増加し、今年4月1日現在で905人と、前年に比べて135人増加しており、特に、私の地元である西宮市の増加傾向が顕著となっています。このような状況に鑑み、県では、待機児童の減少に向けて、保育所の新設・増築などにより今年度中に約1,100人の定員増を図るとともに、定員の弾力化、認可外保育施設の認可化の促進などの対策について、市町と協議を行っていると伺っています。

  児童福祉法では、待機児童数が50人以上の特定市町村について、保育計画を策定することを求めており、県下では、西宮市のほか神戸市と宝塚市がこの要件に該当しています。このうち西宮市では、今年度から、分園や保育所の新設整備などを実施し、受け入れ枠の増加を図ることによって、平成23年度に待機児童を解消することを内容とした「保育所待機児童解消計画」を策定しています。

  県が各種の対策を講じ、努力を重ねておられることは理解をいたしますが、私は、本来、待機児童は「減少」を目指すのではなく、国や西宮市のように、県においてもゼロをめざして具体的な施策を推進していくべきであると考えていますが、そのためには、保育所や認定こども園の整備等に充当している「安心こども基金」を、待機児童の解消対策に優先的に配分したり、待機児童50人以上の特例市との連携強化をはじめ、保育所の認可権限を有する政令市や中核市とも、より一層緊密な連携を図っていくなど、県が強力なリーダーシップを発揮していくことが求められているのではないかと考えます。

  そこで、今後の待機児童ゼロに向けた県の取り組みについて、県下の待機児童の現状や、「認定こども園制度のあり方に関する検討会」のメンバーとしての経験も踏まえ、知事の考え方をお伺いします。

A

(答弁:清原理事)

 本県の待機児童数は昨年、平成20年4月1日現在の770人に対し、20年度に保育所定員を710人増員いたしましたものの、21年の4月1日には905人に増加いたしました。内閣府調査によりますと、30,40代の3歳以下の児童を持つ女性の42%は就労を希望しておりますが、現実に就労しているのは25%、4歳から就学前児童では希望者72%に対して就労しているのは37%と、希望と現実の間に差があり、保育への潜在的需要はさらに高いものと考えられます。

  このため、平成21年度におきましては、「安心こども基金」を活用して、昨年度の約1.5倍の1,100人の定員増を予定しているところです。さらに今後、認可保育所の設置をこれまで以上に促進するため、とりわけ土地の確保が困難な都市部におきましては、賃貸物件による保育所や分園の整備などを進めますとともに、保育所機能、幼稚園機能、地域の子育て支援機能を併せ持つ認定こども園の設置の一層の促進による待機児童対策を進めてまいります。

  特に、待機児童が483人の神戸市、223人の西宮市、62人の宝塚市の各市などとは、県・市合同会議を開催する等により、保育所の緊急整備や認定こども園の設置促進を強力に働きかけますとともに、基金による整備の優先採択など、待機児童対策に積極的に取り組んでいるところです。

TOPへ

Q

4 国道176号名塩道路の現状と今後の対応について

 一般国道176号は、京都府宮津市から阪神北部地域を経由して大阪市に至る主要幹線道路であり、そのうち西宮市山口町から宝塚市栄町までの延長10.6qの区間を「名塩道路」として、国による整備が行われています。この区間は阪神北部地域の重要な社会基盤となる道路であり、地域住民にとっては必要不可欠な生活道路でもあります。

  名塩道路は現在、暫定2車線の整備済み区間を含め約5.5qが供用され、残る未供用区間については一部工事着手がなされましたが、昭和60年に計画決定してから既に20年以上が経過しており、沿線地域の住民は、全線の早期開通を強く待ち望んでいます。

  現国道は、幅員の狭い2車線道路でカーブが多い上、歩道も整備されていない区間が多く、大型車両が人家の軒先をかすめて走行するため、歩行者はこわごわ軒下を通行している状況です。

  また、通行する車両は年々増加し、計画決定された昭和60年には約11,700台であった1日当たりの交通量が、現在では26,000台を超え、大型車両の通行も多いため、慢性的な渋滞や騒音、振動、排気ガスによる環境の悪化などによって、地域住民の生活にも深刻な影響を与えています。

  さらに、異常気象時通行規制区間では、平成16年の台風23号や今年8月の豪雨の際には通行止めとなるなど、災害時における交通機能のマヒが避難や救援・復旧活動のみならず、地域住民の日常生活にも大きな障害となっています。

  このような現状に鑑み、西宮市、宝塚市、川西市の地元3市長で構成する「一般国道176号整備促進期成同盟会」では、名塩道路は、「交通渋滞の解消」、「交通事故の防止・歩行者の安全確保」、「沿道環境の改善」、さらには「緊急時における救急・救援活動等の輸送路」として重要な役割を担う真に必要な道路であることを訴え、早期完成を求めて各方面に要望活動を行っておられます。

  この道路の完成は、地域住民の長年の悲願と言っても過言ではありませんが、この国道176号名塩道路の現状と、今後の県の対応について、所見をお伺いします。

A

(答弁者)河野県土整備部長

 国道176号名塩道路は、西宮市山口町から宝塚市栄町に至る延長10.6kmの道路で、昭和60年から国が事業主体となり、4車線化事業に着手しております。暫定2車線区間1.6kmを含む5.5kmが併用しており、平成20年度末の事業進捗率は79%となっております。これまで、生瀬橋付近の渋滞解消や、阪神高速北神戸線へのアクセス向上など、整備効果をあげており、引き続き促進を図る必要があると考えております。

  未供用区間5.1kmのうち、西宮市名塩木之元から生瀬町までの1.3kmにつきましては、用地取得をほぼ終え、法面工等の工事が進められていきます。また、残る山口町下山口から塩瀬町名塩までの3.8kmにつきましては、一部で用地交渉が難航している箇所もございますが、用地取得が完了した区間から順次工事に着手しております。

  こうしたなか、国の平成22年度概算要求の見直しによりまして、道路事業費につきましては大きく削減されることとなりますが、県といたしましては、本道路が、阪神間の主要幹線道路としてだけでなく、歩行者の安全確保や、災害時の避難・救援活動に寄与することから、着実な整備が必要と考えております。

  今後、地元西宮市等と連携して、難航している用地取得が円滑に進むよう国に協力しますとともに、必要な予算確保を働きかけ、全線供用に向け、事業の促進に努めて参ります。

TOPへ

Q

5 関西3空港のあり方について

 最近の関西3空港を取り巻く状況は、日本航空の神戸空港からの8便の撤退と関西国際空港の国際線4路線の運休、さらに、橋下大阪府知事が公表した「関空・伊丹プロジェクト構想」が頻繁に報道されるなど、ここ数ヶ月間、大きく揺れ動いています。

  このような状況の中、今定例会開会日に、知事は提案説明で、神戸空港についてはスカイマークが7便の増便を行うこと、また、引き続き、関係団体と連携をはかりながら、日本航空や国に対し、ニーズのある地方路線や国際拠点空港である関西国際空港の国際便の維持を働きかけるとともに、他の航空会社に対しても新規就航、増便を働きかけるなど、関西3空港の利便性向上に取り組むことを表明されました。

  また、既に、大阪府知事の構想に対しても、井戸知事は「大阪国際空港廃止を前提とする限り、われわれは議論に乗らない。」という趣旨のコメントを述べておられますが、私自身、大阪国際空港の歴史や本県がこれまで投じてきた予算、さらには、兵庫県側が大阪府側の2倍の面積を空港敷地として供しているという事実などを踏まえれば、大阪府知事の一方的な構想は、唐突で配慮に欠け、本県の県民感情を逆撫でするものだと考えています。

  一方、本県の関西3空港に対する考え方は、関西が持つ経済力や観光資源などを圏域全体の発展のために活用するには、利用者ニーズ、空港施設の状況、環境への配慮等を踏まえた上で、3空港5本の滑走路を有効活用する最適運用を検討することがその目指すべき方向であると、私は理解しています。

  しかし、現実には、関西3空港がそのポテンシャルを十分発揮するためには、まだまだ多くの課題をクリアしていく必要があり、その一例として、関西国際空港の発着回数を確保するために、大阪国際空港、神戸空港の運用制限が行われたことによって、大阪国際空港の利用者が大幅に減少し、また、昨年11月以降に関西国際空港で減便された国内便には、運用制限によって大阪国際空港から関西国際空港へ移された長距離国内便が多く含まれるといった、悪循環とも言うべき状況が続いています。

  また、今年9月、4年ぶりに「関西3空港懇談会」が再開されましたが、今月14日に開催される懇談会では、3空港一元管理の方向性の合意に向けた議論が行われるとの報道がなされています。

  そこで、このような動きの中、関西3空港懇談会に臨む姿勢を含め、今後の関西3空港のあり方について、改めて知事の考え方をお伺いします。

A

(答弁者)井戸知事

 関西は、人口や域内総生産がオーストラリア1国に匹敵するなど、高いポテンシャルを持っています。その魅力や競争力を高める上で、関西国際空港、大阪国際空港及び神戸空港は、貴重な社会基盤であります。この3空港の持つ5本の滑走路を最大限に有効活用して、利用者ニーズを踏まえた空港運営を行うことが、関西の浮場にとっても不可欠であると考えます。

  しかしながら、株式会社方式で整備しました関西国際空港は、多額の有利子負債を抱えており、その有利子負債に起因する高い着陸料や大阪国際空港、神戸空港の運用制限が一方で行われていることなどによりまして、関西全体の航空路線や利用者数が減少しております。このため、関西3空港懇談会が再開され、3空港全体としての機能を最も効果的に発揮させる方策について、現在、検討を進めているところです。

  本県としては、3空港の業務を一つの主体が一元的に行い、自ら着陸料等を収入する中で、各空港の望ましい路線配置や発着枠の設定、飛行時間の短縮、運用時間の延長などを実現することにより、関西の航空需要を最大化する航空ネットワークを構築することが必要だと考えています。その合意に向け、関係者とただいま調整を続けております。

  併せて、3空港間の連携を強化するためには、名神湾岸連絡線、大阪湾岸道路西伸部の整備、海上アクセスであるベイシャトルの関空ターミナルへの直結も必要だと主張しております。

  このような基本的な考え方に基づき、関西国際空港の国際競争力を強化するとともに、大阪湾ベイエリアにバランスよく配置された3空港を一つの空港郡として活用できるよう、3空港懇談会などの場を通じて積極的に働きかけて参ります。

  また、大阪空港は、日本の発展を羽田空港と並んで支えてきた基幹空港であり、現に1,500万人以上の人が利用する利便性の高い空港であります。今の関西の課題は、3空港のポテンシャルを最大限に引き出すことにあるのであって、そのための努力をする必要があります。関西国際空港及び神戸空港の2空港のみでは、現に、平成20年度の3空港の発着実績すら賄えないことなどを踏まえる必要があります。大阪空港の廃港は、これらのことから考えてみてもあり得ないし、これを前提に議論することは意味がないと考えております。

TOPへ
BACK
Copyright(c) Kazuo Ochi. All rights reserved.