行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みに対する認識について
 
県民交流広場事業の今後の展望について
 
後期高齢者医療制度における保健事業について
 
主要地方道有馬山口線「バイパス」の整備について
   
特別支援教育の充実について
   
学校における子どもへのいじめ根絶に向けた取り組みについて
   
阪神間における街頭犯罪の抑止について

1 行財政構造改革推進方策後期 5 か年の取組みに対する認識について

行財政構造改革については、代表質問において我が会派から藤井政務調査会長が質問したほか、この問題について様々な角度から取り上げられております。行財政構造改革推進方策後期 5 か年の取組みは、平成十六年二月に策定され、効率的・重点的な行財政運営を図る観点から、定員・給与の見直し、事務事業の整理合理化、投資事業の見直しなどが進められました。また、新たな県民ニーズに応えるための新規施策等の重点的展開や、成熟社会型行政に向けて、県民の参画と協働による地域づくり、さらなる地方分権をめざして国と県・県と市町の新しい関係づくりを目標としたところです。

当時、平成十六年度から二十年度にかけての収支不足額が約 2,550 億円増加すると見込まれると言われた状況のなか、県民生活の安全と安心を確保できる真に必要な施策の充実に向けてどのように対応すべきか等々、議論を重ねました。当時の行財政構造改革調査特別委員会において、「県民への理念の十分な周知」「県民局の充実による内なる分権化の推進」「適正な人材配置」「社会資本整備に係るスケジュールの明確化」「医療費助成事業見直しに対する慎重な対応」等について議論をし、それらは後期 5 か年の取組みに反映されたと考えております。しかし、当時も指摘したところですが、財政見通しの試算にあたり、内閣府が試算した経済成長率や弾性値を、地域事情を考慮せずに安易に用いたといった点もあると思います。

結果的には、経済成長は、当時考えていた以上の伸びを示したものの、三位一体改革が進められたなかで地方交付税交付金の削減等が進められるなど想定を超えた動きがあったため、歳入を増やすことが難しかったと思いますが、見通しの甘さが、現在の厳しい財政事情につながっていることは否定できないのではないでしょうか。

このような見方に対しては、起債制限比率でみれば十八年度決算では 12.3 %となっており、県は健全財政維持のために十分努力を続けているという評価もできるでしょうが、今回の厳しい状況は、実質公債費比率などの新しい指標導入の結果であり、やむを得ないという見方があることも承知しているものの、今日の財政事情の厳しさは極めて残念に思っております。

当局は、行財政構造改革推進方策後期 5 か年の取組みをどのように認識し、今回の行財政構造改革に向けた取り組みにどのように対処していこうとしておられるのか、所見をお伺いします。

「行財政構造改革推進方策後期 5 か年の取組み」は、平成 11 年度の推進方策策定以降の経済情勢の変化等を踏まえまして、とくに景気の停滞に伴う県税収入の減少による財源不足額の拡大に対応するため、平成 15 年度に歳入、歳出全般にわたり、さらなる見直しを行ったものであります。「後期 5 か年の取組み」策定後、三位一体改革に伴い、予想外に地方交付税が大幅削減されたことから、県税収入は見込額を上回っているものの、財源不足額がさらに拡大することになってしまいました。 15 年度と 19 年度を比較してみても、 1,700 億円の減、税収増を加味しても実質 700 億円の減となっております。創造的復興の仕上げの時期に差し掛かっており、今後の兵庫の礎を確固たるものにするためにも、起債制限比率を 15 %台にとどめる範囲内での地方債のさらなる活用や、毎年度の公債費支出に支障のない範囲で県債管理基金を追加借用することにより対応してきたものであります。

しかし、本県のこれまでの財政運営の結果、本県はこれまでの復旧復興過程で生じた地方債残高約 8,500 億円を有しておりますし、県債管理基金の積立不足を抱えた財政構造となっております。今回の行財政構造改革においては、平成 30 年度までに 1 兆円を超える財源不足が生じると試算しておりますが、もう一つ地方財政健全化法への対応も求められております。このため、地方債の残高対策や県債管理基金の積立てなど、ストック面の改善も不可欠であります。従って、現行計画のように、地方債の発行と基金の活用という毎年のフローでの財源対策で財源不足の過半を補うことは困難であり、基本的には、本県行財政構造そのものに立ち入って歳出・歳入改革を行い、これによる財源不足の解消が必要となっている、このように認識しております。このため、現在、組織・定員・給与・事務事業・投資事業・公社等、聖域を設けることなくゼロベースで点検・検討しているところであります。

今後とも、県議会をはじめ、県民、関係団体、市町等から幅広くご意見を伺いながら、元気な兵庫への基礎づくり、枠組みとして、県民の要請に的確に対応できる持続可能な行財政構造の確立をめざして、一致団結進めてまいりたいと決意しております。どうぞよろしくご指導をちょうだいいたしたいと存じます。

2 県民交流広場事業の今後の展望について

県民交流広場事業については、法人県民税の超過課税を活用して実施する事業であることから、納税者である企業はもとより、すべての県民が納得できる有効な活用が図られるべきという観点から、本県議会においても、大いに議論がなされたところであります。また、本格実施に先立って、平成十六年度から 2 カ年にわたり一般財源を活用したモデル事業が実施され、その成果を検証したうえで平成十八年度から本格実施されたところであり、現在、 2 年目を迎えております。今年の 1 月から 3 月にかけて、実施地区自らが行う評価・アンケート調査及び関係市町へのアンケート調査をもとに、事業内容の点検が行われ、 6 月にその結果が発表されたところでありますが、それによりますと、実施 131 地区のうちアンケートに回答のあった 129 地区の 84 %にあたる 108 地区、そして市町の 85 %にあたる 35 市町が、県民交流広場事業を「コミュニティの活性化につながっている。」と評価しているという結果が示されております。

しかしながら、この評価をもとに、県民交流広場事業がコミュニティ再生に効果をあげていると即断できないのではないでしょうか。例えば、各市町では地域の公民館で様々な活動が繰り広げられています。長い歴史のなかで育まれてきた公民館活動と、県民交流広場事業を同列に論じることはできませんが、県民交流広場事業は、地域において、まだ充分に知られていないのではないでしょうか。

また、地域のやる気に応じた支援ということが事業の基本ではありますが、地域が主体的に事業を展開していくということは、なかなか難しいと思います。モデル事業を含めて、過去 3 年の間、 1 市 4 町( 38 小学校区)においては未だ 1 地区も採択されていないというのが、実情のようであります。地域のやる気を促すために、県民局に地域協働推進事務嘱託員が配置されているほか、専門家・実践家がアドバイス等を行ったうえで地域を支援するコミュニティ応援隊( CAT )が制度化されています。先ほどとりあげた検証においても、 CAT については一定の成果が上がっていると評価されていますが、活用件数は、平成十八年度は 33 件となっており、さらなる活用に向けて工夫する必要があると考えます。

以上のような課題があるなか、県が行った検証によりますと、既に実施されている 142 小学校区を含めて、最終的には 686 の小学校区において事業実施が見込まれているようであります。そこで質問ですが、県民交流広場事業の今年度の進捗状況と、県と市町の役割分担のあり方も問われる中で、今後、コミュニティ再生に向けて県民交流広場事業をどのように進めていこうとしておられるのか、当局の所見をお伺いします。

県民交流広場事業の今年度の進捗状況につきましては、応募数が、現時点で昨年度の 104 校区を上回る、 117 校区となっており、実施地域の合計は、全校区の約 30 %、 260 校区となる見込みです。

また、その内容については、「コミュニティビジネスとして自ら開発した特産品を販売する広場」、「多様な講座の開催により、新旧住民の交流や防犯活動が活発化した広場」などとして、地域課題に応じた主体的な活動により交流が促進されるなど、県民交流広場が地域の活性化につながっているとの評価を得ています。

一方、課題としては、地域ぐるみでの合意形成に時間を要することや、事業趣旨の一層の浸透が必要ではないか、多くの住民を巻き込んだ活動の広がりが求められる地域もあることなどが指摘されています。事業全体としては、このような指摘もありますが、本格実施 2 年目を迎え、進展しつつあるものと考えています。

今後とも、広場の先導的・モデル的役割を十分踏まえつつ、市町との協働のもと、これまでの事業の取組経過を踏まえながら、まずは先進事例の効果的な PR などの普及啓発に努めてまいりますとともに、次いで、募集期間の弾力化等地域の実情を考慮したより柔軟な手続きを検討するなど、実施方法の必要な工夫・改善を行いつつ、第三に適切な事業の展開が図られるよう、コミュニティ応援隊の派遣による合意形成を支援することなども進め、第四に地域 SNS 活用による情報共有の支援の充実などを行いながら、実施地域へのきめ細かなフォローアップ等が必要であると考えております。

全県的なコミュニティの再生・構築に向け、事業の成果をより確かなものとしていくため、効果的な事業展開の方策について今後とも検討を進め、県民交流広場事業の推進を図ってまいります。

3 後期高齢者医療制度における保健事業について

医療保険制度の改革が進められるなか、平成 20 年 4 月には、 75 歳以上の後期高齢者のための新たな医療制度である「後期高齢者医療制度」が創設され、県内すべての市町が加入して設立されている「兵庫県後期高齢者医療広域連合」が、制度を運営することとなっており、現在、その準備が進められております。

新しい制度については、かねてより、「かかりつけ医体制」の導入により患者による医療機関へのフリーアクセスが阻害されるのではといった問題について議論が進められてきたところであり、県からは、国がこの秋にとりまとめる予定の制度の骨格を見守りながら、国に対して必要な要望・提言が進められるとの見解が示されてきたところであります。

また、さる八月二十九日に発表された京都・兵庫・鳥取の 3 府県知事の共同アピールにおいても、「都道府県に対して国が求めている高額医療に要する費用、保険料減額措置の補填及び「財政安定化」基金への拠出の負担増については、制度の設計・維持に責任をもつ国が応分の財政負担をすべきである」とされておりますが、新たな高齢者医療制度が将来にわたり安定的に運営されるよう、これからも国に対して適切な措置を求める努力を続けていただくことを望むものであります。又、後期高齢者医療制度については、市町においても様々な不安が示されているところでもあります。現行の老人保健法における保健事業(健診・保健指導)は、 40 歳以上を対象としており、その費用については国・県・市が 3 分の 1 ずつ負担することとされております。

しかしながら、平成 20 年度から始まる新しい後期高齢者医療制度による保健事業について、 75 歳以上の後期高齢者については、原則として保険料によりまかなうことになるとともに、受益する事業量によって市町村に対して何らかの負担を求めることを、国において検討されています。これに対しては、高齢者保健事業の費用を全て保険料に上積みすることは、被保険者である高齢者に負担を強いることになり、高齢者からの反発が予想されるところであり、また、保健事業にかかる経費の一部を保険料に上積みするとしても、上積みした保険料以外の経費に係る負担が市町に求められるということは、市町財政を圧迫することになります。高齢者の暮らしの安全を確保するため、必要な支援は行うべきでありますし、高齢者医療制度の公平性を確保するためにも、第一義的には国の責任において対応することが求められるところです。

そこで質問ですが、後期高齢者医療制度が始まるにあたり、保健事業について、各市町や広域連合に対し、県はどのような形で支援や助言を行っていこうとしておられるのか、当局の所見をお伺いします。

後期高齢者の保健事業として、疾病の早期発見のための健診と、健康相談などの保健指導の実施が広域連合の努力義務とされました。一方、市町では、介護予防事業や健康増進法に基づく健康相談などの保健事業を実施していく必要があります。このため、国は、後期高齢者が居住地の市町で保健事業を受けられるよう、健診については広域連合が市町へ委託をする、そして、介護予防事業と一体的に実施することが適当であり、そして保健指導についても、市町が実施する生活習慣病等の相談機会を活用して対応することが望ましいとの方針を示しております。県としても、現在、広域連合、市町と具体的な実施方法について協議、指導を行っているところです。

ご指摘のとおり、健診の実施に必要な財政支援は国の責任と考えられます。国に対して必要な財政支援を県として要望してまいりました。これらの努力の結果もありまして、国は経費の 1/3 を補助する方針を示しております。県としては、このような取組に加えまして、広域的団体として、市町に対しましては介護と保健部門の連携体制の整備を要請しておりますし、また、広域連合に対しましては、この保健事業を含めて、保険財政の安定化のための基金造成等の財政支援や、制度の運営に対する助言を通じて、必要な支援を行ってまいります。

いずれにいたしましても、後期高齢者医療制度における保健事業が、市町村の行います保健事業と一体的に行われますよう、今後とも適切な対応を指導していく、また、支援をしていく考えであります。

4 主要地方道有馬山口線「バイパス」の整備について

先月 10 日に知事に提出いたしました民主党・県民連合の「 2008 年度当初予算編成に対する重要政策提言」において、環境を優先し、快適に暮らす社会環境づくりの推進に向けて「つくる」から「つかう」プログラムを推進し、また、人と環境にやさしい総合的な交通政策を推進するよう提言しているところであります。

県も 21 世紀兵庫長期ビジョンにおける目指すべき社会像「多彩な交流社会」の実現をめざして、県土整備行政を進めているところであります。そのなかで、道路行政については、既存ストックの機能向上や有効利活用を進めながら、生活に密着した一般道路の整備や、高速交通網が十分に整備されていない多自然居住地域における高規格道路、またそれらと一体的に機能する幹線道路の整備を進めることとしております。

阪神南県民局県土整備部が 2006 年 3 月に改訂した「阪神南地域の社会基盤整備の基本方針・プログラム」によりますと、阪神南地域では 31 路線約 117km の道路整備・管理が進められております。阪神南地域における道路整備の課題は、北部の市街化に伴い増加している南北交通流動を円滑にすることであると記されております。

このプログラムは、既存ストックを改良し、円滑な交通流動を実現するための道路整備の必要性を謳っておりますが、私も必要な道路整備は行われるべきであると考えます。さて、主要地方道有馬山口線は、平成二十年度国の予算編成に対する提案書においても、地域生活を支える主要道路の一つとされているものであり、また、先に触れた「阪神南地域の社会基盤整備の基本方針・プログラム」においても、地域を結び交通を円滑にする基盤として例示されております。加えて、去る 8 月 29 日に西宮市から提出のあった「兵庫県政に対する要望書」の中でも「幅員が狭小で、歩道等の安全施設が未整備であり、週末や行楽シーズンには観光バスによる渋滞が著しく、かねてより地元自治会から「バイパス」の早期整備が求められている」とされており、西宮北部地域の交通流動の円滑化や、有馬温泉を生かした観光振興に寄与する道路であり、極めて整備効果が高いと考えております。

この路線は、神戸市施工区間については平成十五年度から沿道環境改善事業として整備が始まり、事業費ベースで約 30 %の進捗率であると伺っております。また、本県施工区間につきましては、平成 6 年度から事業着手され、平成十五年度には一部区間が供用開始されておりますが、未買収区間も残っており、進捗率は事業費ベースで約 75 %であるとうかがっております。

関係者の長年にわたる努力には大いに敬意を表したいと思いますが、できるだけ早期に完成させ、事業効果を高める必要があると考えます。そこで、主要地方道有馬山口線「バイパス」整備に係る現在の課題と今後の見通しにつきまして、当局の所見をお伺いします。

主要地方道有馬山口線「バイパス」の整備についてお答えいたします。

主要地方道有馬山口線は、中国自動車道西宮北 IC や阪神高速道路北神戸線西宮山口南ランプと、有馬温泉などを結ぶ幹線道路で、観光振興など地域の活性化に寄与する道路でございます。本路線の日交通量は、平日 8,700 台、休日 9,400 台と、温泉街へ向かう車両など 1 年を通じ多くの利用がございますが、 1 車線の未改良区間が存在しますことなどから、渋滞等の問題が生じております。

県では、本路線の西宮市域 1.9km につきまして、平成 6 年度よりバイパス事業に着手し、平成 15 年 4 月に、上山口交差点から西宮山口南ランプ間 0.5km を阪神高速道路北神戸線と同時に供用開始いたしました。また、神戸市域 0.7km につきましては、市が平成 15 年度より着手しております。

本バイパスにつきましては、現在、両市の境界付近に用地未買収区間が残っており、測量の立入り拒否や残地を含む全筆買収の要求などの交渉難航案件に加えまして、地図訂正が必要な区間も存在するなど、用地取得上の課題を抱えておりますが、今後とも、地権者との交渉を精力的に進めるとともに、神戸市とも工程調整を図りながら早期に同時完成できるよう努めてまいります。

5 特別支援教育の充実について

平成十九年四月から、特別支援教育が本格的に実施されることとなり、これまでの盲・聾・養護学校が特別支援学校として一本化されるとともに、従前の公立小中学校の障害児学級が特別支援学級に改められ、また、障害児教育の対象とされていなかった LD (学習障害)、 ADHD (注意欠陥/多動性障害)等の児童生徒への支援が行われるようになって半年が経過しました。 この間、保護者、教育関係者におかれては、子どもたちの持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善・克服するために、一人ひとりの教育的ニーズに対して的確に応えて日々ご努力されていることに、心から敬意を表します。

さて、今年の三月に策定されました兵庫県特別支援教育推進計画の中では、特別支援教育に係る教職員の専門性の向上が柱の一つとして示されております。県の統計によりますと、これまで公立特別支援学校の在籍者は年々増加しており、平成八年度に全県で 3,157 名でありましたが、今年の 5 月時点で、 3,946 名となっております。また、公立小中学校の特別支援学級の在籍者についても、平成 8 年度に全県で 2,872 名でありましたが、今年の 5 月時点で 4,781 名となっております。加えて、平成 14 年度に文部科学省が実施した全国実態調査では、小・中学校の通常の学級に在籍している児童生徒のうち、 LD 、 ADHD 等の児童生徒が約 6 %の割合で存在する可能性が指摘されております。従いまして、 LD 、 ADHD 等の児童生徒に対して適切な対応を行える教職員等を配置していく必要があると考えます。

本県においては、特別支援教育の推進に取り組まれているところですが、小・中学校においても、多様化する特別支援教育の課題に対応ができる教職員のさらなる配置が求められるところです。そこで、小・中学校における LD 、 ADHD 等への課題に対する取り組みの現状と、教員の加配も含めた今後の対応について、教育長の所見をお伺いします。

教育問題 2 問について、お答え申し上げます。

まず、特別支援教育の充実についてであります。本年 4 月に、特別支援教育が本格実施されたことに伴い、新たに LD ・ ADHD 等への適切な対応を図りますため、 1 つには教員の専門性の向上、 2 つには指導内容の充実、 3 つには相談・支援体制の構築に取り組んできたところであります。教員の専門性の向上につきましては、特別支援教育の中心的役割を担うコーディネーターを全小中学校に配置することとして、専門研修を実施し、現在 300 人を養成をしているほか、全の教職員を対象として基礎研修等を年次計画で実施しております。

指導内容の充実につきましては、児童生徒の幼少期からの一貫した教育支援を行うための個別の教育支援計画の策定や学校内での児童生徒の安定した学びや集団活動を支援する学校生活支援教員 20 名、スクールアシスタント 284 名の配置に取り組んだところであります。また、相談・支援体制の構築につきましては、学校・保護者からの相談・支援を行います「ひょうご学習障害相談室」を全国に先駆けて開設をするとともに、児童の円滑な就学等への対応を図りますため就学前教育と小学校教育の推進体制を構築いたします。就学サポート連携推進事業にも取り組んでいるところであります。

今後とも、特別支援教育に係る教員の資質の向上や、国の加配教員の確保など指導内容の充実に努め、一人一人の教育的ニーズを把握したきめ細かい適切な教育を推進してまいりたいと考えております。

6 学校における子どもへのいじめ根絶に向けた取り組みについて

8 月 9 日に、文部科学省は 2007 年度学校基本調査速報を発表しておりますが、それによりますと、不登校の児童・生徒が 5 年ぶりに増加に転じ、前年度に比して 3.7 %増の 12 万 6,764 人にのぼっているとのことであります。

兵庫県においても、不登校による年間 30 日以上の長期欠席者数は、小学校で 818 人、中学校で 4,393 人と報告されております。昨年度、全国でいじめが要因と思われる自殺が相次いだことから、不登校になった「きっかけ」に関する調査において、これまで「友人関係をめぐる問題」に含められていた「いじめ」が独立した選択肢に変わりました。全国ベースで、かつ複数回答となっているところではありますが、学校生活に起因する不登校が 35.5 %を占めており「いじめ」を原因とする不登校は、 3.2 %でありました

。また、このたびの神戸市内の私立高等学校の生徒が自殺した問題で、自殺の原因にいじめがあったとの報道がなされるなど、いじめ問題が深刻化している状況にあると考えます。いじめ根絶に向けた取り組みは、国をあげて、そして県をあげて行われているところであります。

今年 2 月に、文部科学省と国立教育政策研究所生徒指導研究センターが発表した「いじめ問題に関する取組事例集」を見ますと、独自のいじめ防止取り組みチェックシートを作成した栃木県や、千葉県の事例が取り上げられております。また、全国の多くの学校で、保健室と連携した取り組みや、生徒自身が課題に気づき改善していくような取り組み、例えばいじめられた経験をもつ生徒が中心になっていじめに関する相談活動を行う「ピアフレンド」活動の例も紹介されているところです。

また、本県においてもいじめ問題への対応は最重点課題の一つとされているところであり、「ひょうごっ子いじめ相談 24 時間ホットライン」の設置や、各教育事務所に学校・警察関係の OB 、スクールソーシャルワーカー、心のケア担当相談員等からなる「学校支援チーム」が設置されるなど、いじめの兆候を早期に発見し、解決を図る体制の整備が進められております。このように、いじめの根絶に向けた取り組みは学校・地域をあげて進められており、本県はいじめなどが原因で不登校に至った児童・生徒の学校生活への適応を支援する「県立但馬やまびこの郷」や、生徒の自立を支援する「県立神出学園」を運営するなど、全国的に見ても先導的な取り組みを進めていると思います。

もちろん、個々の児童・生徒の態様に応じた取り組みが必要であることは申すまでもありませんが、一部に、いじめが起こった場合には学校に行かなくても良いのではないかと親が勧める風潮もあるように見受けられます。

しかし、私は、学校で起こったいじめは、まず学校で解決に向けて努力すべきであり、そのうえで、家庭・地域とも連携して対応にあたるべきと考えます。そこで、いじめ問題の現状に関する認識と、その根絶に向けた取り組みについて、教育長の所見をお伺いします。

昨年度、いじめ問題が大きく社会問題化する中、従来の対策に加えまして、緊急対策として、早期発見・早期対応のための教職員全員への教師用マニュアルの作成・配布、いじめ防止啓発チラシの家庭への配布、いじめ相談専用 24 時間ホットラインの開設などを実施いたしますとともに、「いじめ問題検討会議」を設置し、いじめの現状分析と今後の対応策の検討を行ったところであります。

検討会議からは、いじめが深刻化する傾向や、いじめが見えにくくなっているなど、いじめの構造的な変化と、その対応策として、家庭や地域との連携強化が指摘をされたところであります。

これらの課題に対応いたしますため、本年度新たに「いじめ問題に取り組む地域連携モデル事業」や「インターネット社会におけるいじめ問題研究会」に取り組んでいるところであります。

モデル事業では、学校と家庭や地域との連携のあり方につきまして、 12 地区を指定し、地域の実情を踏まえながら効果的な方策を検討・実践し、その実践事例を取りまとめ、県下各学校での連携強化の浸透を図ることといたしております。また、研究会では、学校・保護者・児童生徒に対し実施をいたしました「インターネット及び携帯電話の利用状況等の調査」の結果を踏まえまして、「ネットいじめ」に対する効果的な対応方策や未然防止のあり方などについて検討することといたしております。

今後とも、「いじめは人間として絶対に許せない」という決意のもと、いじめ根絶に向けた対策を充実強化し、いじめ問題の解消に努めてまいります。

7 阪神間における街頭犯罪の抑止について

兵庫県内における刑法犯認知件数は、平成 8 年以降急増しており、平成十四年には戦後最多となる 16 万 4,445 件を記録しております。様々な事件が相次ぎ、社会的不安が広がるなかで、県も県警本部と連携して積極的な対応を進め、『まちづくり防犯グループ』の育成を中心とする『地域安全まちづくり事業』を進めるとともに、平成十八年 4 月には『地域安全まちづくり条例』が施行され、今年の 5 月には条例に基づく『地域安全まちづくり推進計画』が策定されたところであります。このような対策の結果、平成十八年の刑法犯認知件数は 11 万 3,320 件にまで減少しております。

しかしながら、依然、平成八年の 1.75 倍と高い件数になっており、事態の改善に向けて更なる努力が求められるところであります。刑法犯を減らして、社会の安全を確保していくためには、その多くを占める街頭犯罪の抑止に努めなければなりません。特に、件数の多い都市部での抑止に取り組んでいく必要があります。このような観点で、阪神間の犯罪統計を見てみますと、尼崎市、西宮市、芦屋市においては、平成十四年に 3 市合わせて 25,270 件の街頭犯罪が認知されておりましたが、平成十八年には、 16,014 件と 63.4 %まで減少しております。今年に入って、芦屋市・尼崎市については、 7 月末現在でそれぞれ 508 件、 4,825 件の街頭犯罪が認知されており、前年同時期と比較して、それぞれ 5.0 %、 4.1 %減少しております。ところが、西宮市のみは、 7 月末現在で 3,527 件と 6.4 %増加しております。他の 2 市が犯罪抑止について効果をあげているなかで、西宮市のみが増加傾向にあることについては、しっかりと原因を分析するとともに、適切に対処していく必要があります。

西宮市は、特に臨海部においてマンション開発や宅地分譲が進んでおり、コミュニティの形成が十分ではない地域もあるのではと思います。こうしたなかで、例えば、他の地域からやってきて犯罪を犯すケースが増えているのではないでしょうか。その犯罪防止のために、青少年センターの職員や学校の先生方が、地域においても自治会の役員の方等が積極的に巡回活動等を行っておられますが、巡回のない深夜の公園における少年達の徘徊が後を絶たないという話も、数多く伝わっております。

非行少年の放置は、大きな犯罪につながるケースも少なくないことから、適切な対応が求められるところであります。そこで質問ですが、阪神間における県民の安全を守るために、地域安全まちづくりの推進に加えて、警察を中心に徹底的かつ効果的な犯罪予防を進めていくべきであると考えます。そのうえで、西宮市で街頭犯罪が増えている現状をどのように認識し、どのような対策を講じようとしておられるのか、警察本部長の見解をお伺いいたします。

阪神間、特に西宮市内におけます街頭犯罪の抑止についてお答えいたします。

県警察では、街頭犯罪及び侵入犯罪の抑止を最重点課題と位置づけ、県警察各部門の力を結集して取組を推進して参りました。その結果、県下の刑法犯認知件数は、平成 15 年以降 4 年連続で減少し、昨年は、約 11 万 3,000 件となり、戦後最悪を記録いたしました平成 14 年に比べ約 31 %減少、本年も 8 月末現在で前年比約 4 %減少しております。

しかしながら、議員ご指摘のとおり、阪神間において、ひったくりが多発するなど、「体感治安」という面では、まだまだ県民の求める水準に達していないものというふうに認識をしております。とりわけ、西宮市内における街頭犯罪の発生状況をみてみますと、ひったくりの増加が目立つことから、多発地域に対しまして、先般、私自身も現地視察を行い、担当官から説明を受けてまいったところであります。その結果、継続的かつ効果的な抑止対策が今後とも必要であるというふうに認識しております。

具体的な対策といたしましては、検挙面では、ひったくり特別捜査隊や本部員の制服部隊を投入するほか、関係警察署で編成いたします弾力的な合同捜査体制の構築などにより、被疑者の検挙に全力を挙げることといたしております。また、防犯対策といたしましては、犯罪発生実態の分析に基づく警戒活動や多発地域におけます防犯キャンペーンの開催などによる啓発活動の強化、さらに、商店街、自治会、駐車・駐輪場管理者などに対する防犯カメラの設置への働きかけなどを行っていきたいと考えております。また、少年の非行防止対策につきましては、非行の前兆段階での補導活動を強力に推進するとともに、各市町、自治体、学校などと連携を図りながら、地元のイベントなどの行事に積極的に少年を参加させるよう促すなど、少年の居場所づくりのため、地域のコミュニティの活用に配意をしてまいりたいと考えております。

今後も、検挙と防犯の両輪を軸としまして、地域住民、地域安全まちづくり条例に基づく「地域安全まちづくり推進員」の方々をはじめ各種防犯ボランティア、自治体などとの積極的な協力を行い、真に効果ある取組を強く進め、地域の安全・安心の確立に努めてまいる所存であります。

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