保育所待機児童の解消について
 
児童相談体制の拡充について
 
胆道閉鎖症の早期発見・早期診断対策について
 
国際交流の推進について
   
県立病院の患者待ち時間の短縮について
   
高等学校の入学者選抜制度について
   
県立病院の患者待ち時間の短縮について

1 保育所待機児童の解消について

政府では、平成13年7月に「待機児童ゼロ作戦」を閣議決定し、保育所、保育ママ、自治体単独施策等を活用し、平成14年度から16年度までの3年間で15万人の受入児童数の増を図り、待機児童の減少を目指す取組をスタートさせました。しかしながら、保育需要の高まりに施策が追いつかず、待機児童数は、政府の取組がスタートした平成14年4月時点の約2万5,500人が、計画期間である3年経過後も約2万3,300人とほとんど減少せず、待機児童ゼロ作戦と呼ぶには程遠い結果となりました。

一方、本県においても「県政推進重点プログラム50」の中で、神戸市及び姫路市を除く県所管分の待機児童数について、平成17年度当初の320名を計画的に減少させ、18年度当初に170名、19年度当初に5名、そして20年度当初にはゼロにするという目標を掲げ、保育所の整備推進等に取り組まれています。

しかし、平成18年4月1日時点の待機児童数は267名で、残念ながら計画の170名を100名近く超過しており、所期の目標を達成できるのかが懸念されるところであります。もちろん、保育所を整備し定員を増やすにつれ、これまで入所を希望していなかった児童も希望するようになるという問題も承知していますが、目標達成のためには、さらに取組を加速させることが求められます。

幸い、本年1月1日の「認定こども園条例」の施行により、小学校就学前の子どもに教育と保育を一体的に提供する「認定こども園制度」が創設され、既存幼稚園の空き教室活用による待機児童の新たな受け入れ先として、一定の役割を果たすことが期待されています。

また、少子化が急速に進行する中、本当の意味で仕事と子育てが両立できる環境づくりを推進するためには、4月時点での受け入れ枠を拡大するのみではなく、産休・育休明けや転勤等により、年度途中での入所を希望する方への迅速かつ弾力的な対応も不可欠であります。例えばスウェーデンでは、親の入所申請から遅くとも3〜4ヶ月以内に、出来る限り自宅に近い保育施設を提供する義務が、地方自治体に課せられています。

そこで、平成20年度当初には待機児童をゼロにするという目標の達成に向け、より積極的な施策展開が求められますが、保育の実施主体である各市町と連携の下、認定こども園の活用や年度途中の保育所入所希望者への迅速な対応への支援も含め、どのように待機児童解消に係る保育施策を展開しようとされているのか、当局のご所見をお伺いします。

(答弁:井戸知事)

保育所待機児童の解消については、毎年4月1日現在の待機児童について、施設の整備や分園の設置、例えば平成17年度ですと新増設8、分園1、18年度中ですと新増設11、分園1などの取組みにより、その早期解消に取り組んできており、少なくとも4月1日現在の待機児童は年度内には解消しているところであります。その結果、年度当初の待機児童数も毎年着実に減少してきており、平成17年度の初めが320人、ご指摘もありましたが平成18年度が267人でありますが、目標よりはオーバーしている、こういう実態でございます。

しかしながら、一方でこのような施設設備を行いましても、年度途中の需要が増えてくるという状況にありますことから、年度途中の定員の弾力化運用を図る必要があります。4月2日以降に前倒してこの弾力運用は行えるよう、市町に働きかけますとともに、一時保育や特定保育事業などの活用を促進していきたい、このように考えています。

また、ご指摘にもありましたが、本年1月1日より施行しております認定こども園は、保育所入所選考におきまして、優先度や保育に欠ける要件にかかわりなく、柔軟に利用することができますので、この制度の活用や促進につきまして年度途中の入所希望者を含めて、待機児童へ対応していただけるのではないか、このような意味で、認定こども園の設置について促進を図りたく努力をしているところであります。

更に、19年度からは、認定こども園の活用をはじめとする待機児童対策について検討する県・市町合同チームを待機児童のある県民局にモデル的に設置することにより、市町との連携を図りながら、年度途中の入所希望者への対応をすることとしております。今後とも、市町、保育協会などの関係者ともども、待機児童解消に向けて努力をしてまいります。

2 児童相談体制の拡充について

児童相談に係る諸課題については、昨年9月の本会議でわが会派の藤井議員が、また決算特別委員会で同じく吉本議員が指摘したところでありますが、子どもの生命を守り、健やかな育ちを保障する上で非常に重要な問題でありますので、今回も質問したいと思います。

児童相談体制については、改正児童福祉法に基づき、平成17年度から市町も児童相談の窓口となり、軽微な相談は市町が、困難な相談は都道府県の児童相談所、すなわち本県で言う「こども家庭センター」が対応するという役割分担が明確にされたところであります。

しかしながら、平成18年度の12月末時点で本県のこども家庭センターが受けた相談件数は、既に9,000件を超えており、役割分担をする前の平成16年度同期に比べ約7%、600件近くも増加しています。相談のうち、児童虐待に係る件数の伸びはさらに著しく、約15%も増加しており、特に姫路こども家庭センターでは約40%も増え、12月末時点で既に平成16年度1年間の相談件数を大きく上回っているほか、西宮こども家庭センターでも1年間の件数に匹敵する状況となっています。もちろん、今年度は市町でも相談件数の増加が著しいことは承知していますが、果たして、これで市町との役割分担がうまく機能していると言えるでしょうか。

児童相談体制を真に機能させるためには、まず、第一義的な窓口である市町の相談体制の強化が不可欠であります。厚生労働省の調査によると、全国の市町村の約8割が、児童相談を行う上での困難点として「専門性を有する人材の確保」を挙げています。また本県でも、平成18年度当初で、児童福祉の専門家である児童福祉司を配置している市町は6市で、総数は13名に過ぎません。このような状況を踏まえると、市町と緊密に連携して児童相談に取り組む県として、市町の相談体制の強化に向け、児童福祉司などの専門的人材の確保・育成をより積極的に支援することが必要と考えます。

加えて、県のこども家庭センターの相談体制の充実も重要であります。近年の児童相談の増加傾向を踏まえると、たとえ市町との役割分担がうまく機能しても同センターの相談件数は減少しないと思われることに加え、役割分担により児童虐待など緊急度・困難度が高い事例が同センターに集中することを考えると、同センターの相談体制の質的かつ量的充実が不可欠であります。さらに、相談に関する市町への技術的援助や助言を一層充実させるという意味からも同センターの相談体制の拡充が求められます。

そこで、本県全体の児童相談体制の充実・強化に向け、市町の専門的人材の確保・育成への支援、並びにこども家庭センターの相談体制の質的かつ量的な充実に今後どのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いします。

(答弁:井戸知事)

法律の改正に伴いまして、市町で身近に相談ニーズに対応できるようになりましたので、相談件数が大幅に増加し、いわば地域の掘り起こしが進んだと考えられます。一方で、発達障害や虐待など専門的な助言指導を求めて県のこども家庭センターへの相談が増えておりますので、その相談件数も増加したものと考えています。

ご指摘のように、市町の相談窓口における専門的人材の確保や育成が、今後ともこのような状況から重要となってきております。県としては、市町担当課長会議等における面接・相談援助の技術習得やモデル事例の紹介等を内容とした研修を実施しておりますし、個別の市町ケース検討会へのアドバイザーをそこに派遣するなどにより、相談体制の整備・充実を支援しております。

一方、こども家庭センターにおきましては、児童福祉司の配置を拡充しましたので、機動的な専門チームのリーダーとなります児童福祉専門員を全センターへの配置、姫路、豊岡、川西につきましても配置を19年度からすることとし、困難事案への対応力を強化することといたします。

さらに、地域の女性団体等で構成し、SOSのサインをキャッチして対応する「地域における子育て応援ネット」による見守り活動等との連携を図りながら、地域と市町、県が一体となったネットワークを構築し、全体としての相談機能の充実を図ることとしてまいります。今後とも、子どもたちの命を守り、健やかな成長と自立の支援に一層取り組んでまいりますので、よろしくご理解を賜りますようお願いいたします。

3 胆道閉鎖症の早期発見・早期診断対策について

胆道閉鎖症とは、赤ちゃんが生まれつき、または出生後まもなく発症する病気で、肝臓から胆汁を送る胆管が詰まってしまい、早期に治療しないと肝硬変、肝不全へと進み、やがて命を奪ってしまう難病であります。この病気は約1万人に1人の割合で発生すると言われていますが、生後60日以内という早期に発見し、治療できるかどうかが、その後の経過を非常に大きく左右すると言われています。

この胆道閉鎖症は、症状として黄疸と白っぽい便が出ることから、早期発見・早期診断に向け、約20年前から、母子健康手帳に黄疸と白っぽい便を見れば早期に医療機関を受診するようにとの啓発文が掲載されるとともに、最近では7つ程度の他県で、すべての出産後の親に対し便の色見本カードを配布し、それを基に親が色を判定し、胆道閉鎖症の赤ちゃんを見つけ出すマス・スクリーニングが行われています。しかしながら、この色見本カードで病気を見つけ出す方法では、赤ちゃんの便の色には個人差やかなりの変動があることから、親の判定が難しく、見逃してしまうケースがあります。

そこで近年考案されたのが、赤ちゃんの尿を検査して胆道閉鎖症を見つけ出すUSBA測定法です。この方法は県内の研究者が中心となって開発された測定法ですが、先ほど述べた便の色を親が主観的に判定する方法とは異なり、尿を化学的に測定し客観的に判定する方法ですから、病気を見逃すことがありません。よって、産婦人科を退院する際に母親にUSBA採尿キットを配布する仕組みなどで、マス・スクリーニングを実施すれば、胆道閉鎖症の早期発見率は飛躍的に向上するものと考えられます。もちろん、USBA測定法によるマス・スクリーニングの導入には、新たな費用が必要となりますが、見逃しにより早期発見できなかった子どもの肝臓移植等に要する医療費、また患者の生活の質の低下や命が奪われたことにより社会が失う利益などをマクロ的に考えると、導入に踏み切ることは決して困難ではないと考えます。

近年、少子化が著しく進行しており、従来にも増して、新たに誕生した一つひとつの命を大切に育むことが求められています。しかし、残念なことに本県においては、胆道閉鎖症に関して、色見本カードによるマス・スクリーニングさえ行われていません。このような現状から胆道閉鎖症対策に関する先進県へと一気に飛躍するとともに、ひとつでも多くの命を健やかに育んでいくため、USBA測定法によるマス・スクリーニングの導入など、胆道閉鎖症の早期発見・早期診断対策に、今後、一層積極的に取り組むべきと考えますが、どのような施策展開を図っていかれるのか、当局のご所見をお伺いします。

(答弁:井戸知事)

胆道閉鎖症は、出生1万人に対し1人の割合で発生し、白色便を示す疾患で、生後60日以内の早期発見、早期治療が肝要だとされています。

このため、保護者が便の色調に留意するよう母子健康手帳へ記載をしているところでありますが、県医師会・産婦人科医療機関に対する便色の問診を徹底していただきますよう、県としても推進を図っておりますし、毎年5人程度、平成17年で8人、16年で3人、毎年5人程度の症例が確認され、胆管の閉塞部切除による治療につながっています。

ご指摘のUSBA測定法につきましても、胆道閉鎖症の診断検査法として、医師会とも連携しながら、産科を標榜する医療機関へ協力を依頼しておりますとともに、周産期医療検討委員会研修におきましても周知を予定しています。

更に、1か月児健診時に、母親に対して便色調の確認を徹底するとともに、疑いのあるこどもには早期に医療機関でUSBA測定法による診断を勧奨し、胆道閉鎖症の早期発見、早期治療を促進してまいることといたしております。

4 国際交流の推進について

今や地方自治体といえども、特に企業誘致や観光、さらには環境保全といった分野においては、世界とのつながりを常に意識しながら、施策展開を図っていくことが不可欠であります。国際的な視点からの施策展開を進めるためには、その基盤づくりとして、国際交流を推進し、相互理解を深めていくことが必要であることから、本県においても、西オーストラリア州、ロシア連邦ハバロフスク地方、さらにはブラジル・パラナ州などの友好・姉妹提携先との交流を推進されていますが、中でも、特に近年著しい経済発展を遂げ、観光、環境などさまざまな分野で今後の鍵を握る中国との交流は、本県にとって非常に重要であります。

このため、本県では、1983年3月に中国の広東省と友好提携の調印を行い、その後、友好代表団や経済代表団等の相互派遣のほか、県民交流の船が広東省を訪問するなどして友好交流を深めています。

また、広東省の行政区から昇格した海南省とも、1990年に友好提携の調印を行うとともに、2005年には「兵庫県・海南省友好提携10周年に際しての覚書」に基づき、同省の国際友好村の中に「兵庫友好庭園」を整備し、齋藤副知事(国際交流協会理事長)が現地訪問のうえ寄贈するなど、非常に緊密な交流が展開されています。

このように、広東省、海南省との交流は、幅広い分野にわたって進展しており、お互いの発展に大きく役立っていますが、やはり、交流の基本は人と人との交流を通じての相互理解の促進であると考えています。

私は、昨年4月に海南省を訪問した折、現地の農業学校の校長、副校長と面談する機会があり、その際に、本県農業高校等との交流を進めたいとのお話を受けました。大規模訪問団の派遣や経済交流の果たす役割ももちろん大きなものがありますが、とりわけ次代を担う若者たちの草の根レベルの地道な交流を一つひとつ積み重ねていくことが、相互理解を一層深めていくことに寄与するのではないでしょうか。

当初予算申入れの場などでお話を伺うと、知事は、国際交流の推進に非常に前向きな考えをお持ちであると推察いたしますが、このような中国・海南省からの地道な交流の申入れへの対応も含め、今後、本県の国際交流の推進にどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺い致します。

(答弁:井戸知事)

兵庫県では、7つの姉妹・友好州省を中心に、経済、文化、環境、教育、観光など、幅広い交流に取り組んでおり、特に、次代を担う若者をはじめとする人的交流が「百聞は一見に如かず」のとおり、相互理解を進めていくものと考えています。先年訪問いたしました西オーストラリア州のカーペンター首相からは、留学生2人の招聘を申し出られましたし、私からもアジア若者塾への招聘を申し出たところです。

すでに、技術研修員やニューリーダーの受け入れ、アジア太平洋大学間交流ネットワークいわゆるHUMAPなどによる留学生・研修生の人的交流が積み重ねられていますが、昨年の西オーストラリア州との25周年の提携の積み重ねにおきましても、姉妹市町間の市民交流、大学間の留学生・研究生の交流、高校生の交流などが行われているところです。

また、中国の広東省では、洋上セミナーによる大学生の派遣や学生訪問団を受け入れておりますし、高校生の相互派遣も実施されています。しかも、ホームステイが実施され、相互理解を深めていると考えています。ご質問の中にありました海南省からの申し入れにつきましては、当面19年度においては、農業学校の若手教員を技術研修員として受け入れることとしているところです。

本県の国際交流につきましては、今後とも、地域と地域、人と人との草の根レベルの交流が相互理解を作り上げるとの認識のもとに、姉妹・友好州省を中心にそれぞれの課題に応じた多面的・重層的な交流を進めていくことと致しておりますので、これからもよろしくご支援をお願いしたいと思います。

5 県立病院の患者待ち時間の短縮について

平成17年度に厚生労働省が、一般病院を利用する患者に対して実施した調査によりますと、外来患者の満足度に関する調査項目のうち、「不満」とする回答が「満足」を上回っていたのは「待ち時間」「診療等の費用」の2項目だけであり、このことからも明らかなように、外来患者の待ち時間の短縮は、患者サービスの向上を目指していく上での最重要課題であります。

このため、本県においても、平成15年に策定した「病院構造改革推進方策」の中で、患者サービスの向上を目指す方策の最初に「外来待ち時間の短縮」を掲げ、予約制の拡充等によりその実現に努めてきたところであり、今年度の患者意識調査では、待ち時間に関する満足度が2年前に比べて約14ポイント上昇するなど、一定の成果を上げているところであります。

しかしながら、西宮病院など一部の県立病院では、待ち時間短縮のための診察予約システムに非常に不便な点があるようで、私の元にも早急な改善を求める声が寄せられております。具体的には、近親者の不幸などやむを得ない事情が発生した場合でも、電話等では再診予約の変更ができず、結果として、次の診察の時には予約がないため、数時間待たざるを得ないという点であります。

確かに、予約を担当している事務職員の判断のみで、診察予約日を変更してしまうことは、定期的な診察が不可欠な患者等については、医療上の問題があるかも知れませんが、その場合でも、医師に変更が可能かどうかを確認する、あるいは、当該患者がどの程度の診察日の延長が可能かという情報を共有するなどの方法で対応が可能であり、実際にそのような方法で電話等による予約変更を実施している病院も少なくないと聞きます。

県立病院には、不採算部分を補うためとはいえ、多額の税金が投入されていることもあり、民間病院よりもさらに優れた住民サービスを提供することが求められますので、このような不便な予約システムは早急に改善すべきと考えます。

そこで、西宮病院の診察予約システムの改善にどのように取り組まれるのか、また併せて、患者サービスの一層の向上をめざし、患者待ち時間の短縮をどのように進めていかれるのか、当局のご所見をお伺いします。

(答弁:黒田病院事業管理者)

県立病院では、患者の立場に立ったサービスの提供に努めており、その一環として待ち時間の短縮にも鋭意取組んできています。その具体策のひとつである再診予約については、救急医療専門の災害医療センターを除く11病院で既に実施しているところです。

ご指摘のありました電話での再診日の予約変更については、塚口病院など7病院において、患者の情報を予約担当職員も含め共有するということにより、実施しているところです。

西宮病院では、医療情報システム上の課題から実施しておりませんでしたが、実施している病院の例を参考にして、19年度の実施に向け現在その準備を進めているところです。その他の未実施病院についても、今後条件が整い次第実施していきたいと考えています。

また、待ち時間の短縮のためには、診察時間の予約制に加え、検査待ち、会計待ち、薬剤待ちそれぞれの待ち時間解消も重要であることから、オーダリングシステムの改善や医薬分業の推進、検査時間短縮のための機器の増設や更新等を進めてきています。今後とも、引き続き各部門における待ち時間の短縮に取組み、患者サービスの一層の向上に努めてまいります。

6 高等学校の入学者選抜制度について

本県では、「県立高等学校教育改革第一次実施計画」において、高等学校の入学者選抜制度については、過度の受験競争を緩和し、生徒が学校の特色や自分の適性等に応じて学校が選択できるよう、複数志願を可能とする選抜制度を、学校の個性化等の進捗を見ながら順次採り入れるとしたところであります。そして神戸第三学区を皮切りに複数志願制度が順次導入され、平成20年度からは、総合選抜制度を採用している尼崎、明石の両学区にも導入予定となっています。これにより、県下で総合選抜制度が残るのは、西宮、宝塚、伊丹の3学区のみとなりますが、この3学区の入学者選抜制度について、県教育委員会はどのように考えているのでしょうか。

私の地元の西宮学区では、昭和28年に総合選抜制度が導入され、同制度が当時の教育環境の下で、受験競争の緩和などに効果を発揮したことは認めますが、近年、西宮学区の教育環境や住民意識は大きく変化しています。例えば、総合選抜制度の導入当初、3校であった公立高校は、現在は8校にまで増え、各校が特色ある学校づくりを推進し、個性化・多様化が進んでいます。

また、平成16年度の西宮市民意識調査によると、総合選抜制度を知っている市民のうち、同制度を否定したり改善を求める人の割合は約63%に上っているのに対し、肯定する人の割合は約13%にとどまっています。さらに、平成17年から翌年2月にかけて、PTA主催の「高校教育改革学習会」が実施した調査では、その傾向が一層顕著であり、総合選抜制度の否定や改善を求める人の割合は80%近くに達する一方で、肯定する人の割合は約8%に過ぎないという結果となっています。加えて、同制度では「高校を自由に選びにくい」と答えた人の数は約6割に上るとともに、「受験競争が少ないため、進路目標に向かい努力する姿勢が育ちにくい」と答えた人の数は、「受験競争が和らぎ、ゆとりある中学生活が送れる」と答えた人の4倍に及んでおります。

さらに、平成17年度には、西宮市議会でも「総合選抜制度を改め、複数志願制度を早急に導入する意見書」が可決されたほか、市教育委員会が設置した「高校改革に伴う選抜制度改善検討会」も、昨年10月に複数志願選抜や特色選抜が望ましい選抜制度であるとの結論を出し、本年1月25日には市教育委員会として正式に県教育委員会に選抜方法の変更を要請したところであります。 私は、このような教育環境や住民意識等の変化を踏まえ、出来る限り早期に西宮学区に複数志願選抜を導入すべきと考えます。

そこで、西宮学区への複数志願選抜導入について、実施時期も含めてどのように考えているのか、また併せて、西宮学区に近接し同じく総合選抜制度を採用する宝塚、伊丹両学区の入学者選抜制度について、どう考えているのか、当局のご所見をお伺いします。

(答弁:吉本教育長)

西宮学区等の入学者選抜制度についてお答えします。複数志願選抜と特色選抜からなる新しい選抜制度の導入につきましては、学区内の個性化・多様化の進捗状況を踏まえつつ、地域の意見を参考にしながら進めることとしております。

議員ご指摘の西宮学区につきましては、特色ある専門学科や総合学科の設置など、学区内の個性化・多様化が進展してきていること、西宮市教委から新しい選抜制度の導入が要請されたことから、新しい選抜制度を導入するにあたっての前提が整ってきており、平成18年度内には、県として結論を出したいと考えております。

新しい選抜制度を導入する場合の実施時期につきましては、中学生や保護者への周知や、市教委や中学校との調整などを考慮すれば、県の方針決定から2年程度の準備期間が必要と考えております。

伊丹学区・宝塚学区の選抜制度のあり方につきましても、これまでと同様の方針を基本として進めることとしておりますが、伊丹学区では各市町教委において設置された検討委員会や研究会議で選抜制度のあり方についての検討が、宝塚学区では選抜制度に関する市民の意向調査を実施する方向での検討がそれぞれ進められていると聞いておりまして、新しい選抜制度の導入の気運が高まっているものと考えております。

7 通学路への歩車分離式信号の導入について

このことについては、昨年12月の本会議でも、我が会派の岡やすえ議員が、川西市内の通学路に焦点を絞って質問しましたが、私も子どもの命を守るという観点からぜひ全県的に推し進めてほしいと思い、質問致します。

先月、タレント・風見しんごさんの小学5年生の長女が、通学途中、青信号で横断歩道を渡っていたところ、右折してきたトラックにはねられ死亡するという非常に痛ましい事故が発生しました。その告別式で風見さんは「アクセルを踏む時、道を渡る時、ちょっとでいいから長女のことを思い出して」と、精一杯の声で悲劇が繰り返されないよう訴えていましたが、交差点を通過する際は特に注意をしようと強く感じたところであります。

しかしながら、人間というのは弱いもので、注意しなければと思っていても、急いであせっている時は、交差点の横断者を十分に確認せず、右左折のためについアクセルを踏んでしまうことがあります。したがって、このような悲惨な事故を撲滅するためには、ドライバーの意識に頼るだけではなく、交通システムにより右左折時の事故を防止することが不可欠であります。

交差点における右左折時の人身事故をシステムとして防止するのが、人と車の流れを完全に分離する歩車分離式信号であります。確かに、歩車分離式信号には待ち時間が長くなり、渋滞を招きやすいというデメリットがありますが、その交差点の交通量や流れなどに応じた方式の導入、時間帯による一般信号との切り替えなどにより、渋滞の発生を相当程度回避できるのではないでしょうか。また、歩車分離式信号の導入は、基本的には信号の色が変わるパターンの変更だけで可能であり、導入コストは比較的安価であります。

歩車分離式信号の導入に関して、12月の本会議では「県下で76基の運用を行っていて、このうち31基、約4割は主として通学路による安全確保を目的としており、今後とも積極的に整備を進めて行きたい」との答弁でありました。しかしながら、県内には小中学校あわせて1,200校以上あることを考えると、通学路への導入率はまだまだ低いと言わざるを得ません。また、平成14年に警察庁が策定した「歩車分離式信号に関する指針」でも「通学路等において、生徒、児童等の安全を特に確保する必要があり、かつ、歩車分離制御導入の要望がある場合」は、その導入を検討するとされていますが、現在の約30基という導入数が、この要件に該当するすべての箇所で導入の適否を検討した結果でしょうか。

そこで、通学路における悲惨な事故で、決して幼い命が奪われることがないように、一層の取り組みの強化が求められますが、住民からの導入要望の把握も含め、今後どのように通学路等への歩車分離式信号の導入を進めていかれるのか、当局のご所見をお伺いします。

(答弁:末井警察本部長)

ご指摘のとおり、信号機の歩車分離制御は、交通の円滑に影響を与える可能性はあるものの、歩行者の安全の確保のために有力な手法の一つでありますことから、地域住民の方々などからの要望・意見に基づきまして、警察庁の指針に従い、これまで積極的に導入を進めてきたものであります。

通学路における歩車分離制御の導入につきましては、現在、県下の小学校等の通学路に設置している信号機全てについて、その交差点における通学児童等の横断実態、交通事故の発生形態、右左折車両の交通量等の現地調査を実施しており、本年3月末を目途に結果を集約する運びであります。

また、地域住民の方々からの導入要望につきましては、各警察署が、PTA、学校関係者と合同で実施しております交通安全総点検や、警察署協議会の機会等において把握してきたところでありますが、今回の調査に関し、それぞれの地域住民の方々に要望・意見の有無、内容を確認することとしております。

今後は、導入の適否、制御方式の選定等の検討を行うとともに、地域住民の方々を含め関係者に対しまして、歩車分離制御の効果と影響を説明し、その御理解を得て、通学路に整備を進め、児童等の安全確保に努めてまいりたいと考えております。

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